【用語解説】アービトラージ

アービトラージとは

アービトラージ（Arbitrage）とは、日本語で「裁定取引」と呼ばれる投資手法の一つで、異なる市場や商品間の価格差を利用して利益を得る方法です。

この手法は、特定の投資対象が異なる市場で異なる価格で取引されている場合、その価格差を利用して利益を得るものです。

アービトラージの基本的な考え方は、理論上、同じ価値を持つべきものが異なる価格で取引されていても、最終的には同一の価格に収縮することを前提としています。

アービトラージ（裁定取引）は、価格差がごくわずかなものであっても、大規模に行うことで確実な利益を上げることが可能です。

 

かつては、アービトラージは主に投資銀行の自己勘定部門が行っていましたが、技術の進歩により、取引のスピードが飛躍的に向上し、瞬時に価格差を見つけて取引を行うことができるようになったため、近年ではヘッジファンドをはじめとする多くの投資機関や様々な投資家がこの手法（アービトラージ）を活用できるようになっています。

アービトラージは、投資の世界において、価格の効率性を高めるなどの重要な役割を果たしており、市場の不合理な価格差を是正することで、全体的な市場の健全性を保つ役割も果たしています。

 

アービトラージの方法（やり方）

アービトラージは、ある投資対象について、割安な方を買い、同時に割高な方を売ります。その後、両者の価格が収縮したときに反対売買を行い、利益を得ることができます。

このような取引を「サヤ取り」や「スプレッド取引」とも呼び、価格差が縮小することを期待して行われるため、リスクを抑えつつ利益を追求する手法として知られています。

 

アービトラージには様々な形態が、異なる国の通貨間の金利差を利用する「金利アービトラージ」、同じ企業の異なる証券（株式と転換社債など）の価格差を利用する「コンバーティブル・アービトラージ」、先物市場と現物市場の価格差を利用する「先物アービトラージ」などが存在します。