用語解説

【用語解説】ビッグマック指数

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ビッグマック指数とは

ビッグマック指数とは、1986年にエコノミスト誌によって開発されたユニークな経済指標で、この指数は、世界中のマクドナルドで販売されているビッグマックの価格を基準に、各国の購買力平価(PPP)を測定するために使用されます。

 

ビッグマック指数は、購買力平価理論に基づき、同じ商品バスケットが異なる国で同じ価格であるべきだという考え方から成り立っており、この商品バスケットとして選ばれたのが、世界中で同一の品質と規格で提供されるビッグマックです。

 

ビッグマック指数は、皮肉を込めた経済指標として誕生しましたが、そのシンプルさと分かりやすさから、経済学者や政策立案者の間で広く受け入れられています。この指数は「バーガーノミクス」とも呼ばれ、為替レートの理論を一般の人々にも理解しやすくするためのツールとして機能しています。

実際に、ビッグマック指数は、ある国の通貨が過大評価されているのか、過小評価されているのかを示す手段として活用されています。

 

例えば、2023年8月のデータによれば、英国のビッグマックは米ドルに対して3.8%過小評価されているとされています。

エコノミスト誌のウェブサイトでは、54カ国のビッグマック価格が公開されており、これにより各国の消費者の購買力を比較することができます。スイスではビッグマックが割高である一方、インドやインドネシアでは割安であることが明らかにされています。

 

ビッグマック指数が注目される理由の一つは、その価格が現地の経済状況を反映しているためです。ビッグマックの価格には、原材料費、人件費、輸送費、税金など、さまざまなコストが含まれています。

したがって、ビッグマックの価格はその国のインフレ圧力を反映する良い指標となり得ます。

 

ビッグマック指数はそのシンプルさゆえに非常に有用な指標であり、エコノミスト誌の編集者たちは、ビッグマック指数を為替レートの厳密な測定ツールとしてではなく、為替レート理論を一般の人々に理解しやすくするためのものと位置づけており、経済学の理論を分かりやすく説明するツールとして、また各国の購買力平価の差を測る手段として広く受け入れられています。

 

投資家にとってのビッグマック指数

ビッグマック指数は、一般消費者だけでなく、投資家にとっても有用な指標です。

 

投資家はこの指数を利用して、通貨の過大評価や過小評価を分析し、国際投資の意思決定に役立てることができます。

例えば、ビッグマック指数を参考にすることで、特定の通貨が過大評価されている場合、その通貨で取引される資産は割高である可能性があると判断することができます。逆に、過小評価されている場合は、その通貨で取引される資産が割安であると考えられます。

 

さらに、ビッグマック指数はインフレの指標としても役立ちます。ビッグマックの価格には、原材料費や人件費、輸送費、税金などの要素が反映されており、これらはその国のインフレ圧力を示しています。

投資家はビッグマック指数を利用して、各国のインフレ率を比較し、インフレの影響を受けやすい投資商品を選定する際の参考にすることができます。例えば、高いインフレ率が予想される国の通貨や債券はリスクが高いため、これを避けるか、リスクプレミアムを考慮した投資戦略を立てることが求められます。

 

また、ビッグマック指数は市場のミスプライシングを検出するツールとしても利用されます。

市場が特定の通貨を過大評価または過小評価している場合、ビッグマック指数を活用することで、その通貨に関連する市場の誤りを見つけ出し、アービトラージ機会を見つけることができます。このようにして、投資家は相対的に割安な資産を見つけ出し、利益を得ることができます。

 

ビッグマック指数は、長期的な経済トレンドを分析する際にも有用です。

例えば、特定の国のビッグマック価格が長期的に他国と比較して高いままである場合、その国の通貨は恒常的に過大評価されている可能性があります。これに基づいて、投資家はその国の経済政策や市場環境の変化を注視し、長期的な投資戦略を見直す必要があります。

 

ビッグマック指数は投資家にとって、多角的な視点から市場分析を行うための重要な指標です。

ビッグマック指数は、通貨の過大評価/過小評価、インフレ率の比較、アービトラージ機会の検出、そして長期的な経済トレンドの分析など、さまざまな投資判断において役立ちます。ビッグマック指数は、投資家はより賢明な投資決定を行い、市場の複雑な動きを理解する上で非常に有効とされています。

 

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